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【感想】自分に気づく心理学 (著:加藤諦三)

読書メモ

こんにちはFumiko@です。

今回は加藤諦三さんの『自分に気づく心理学』を紹介します。

この本は人付き合いに苦労している人、精神的に自立したい人や、アダルトチルドレン、愛着障害に関連した心のしくみを知りたい人におすすめの1冊です!

甘えの欲求を抑圧して三十歳、四十歳になった人は、心の中にまだ甘えの欲求をそのまま残している。
それを本人が意識していないというだけの話である。

自分に気づく心理学

著者は多くの人が情緒的に未熟なまま大人になると言います。

この本では特に、大人になってからの「依存の欲求」、「甘えの欲求」に対する抑圧について述べられています。


幼少時に親の元で安心感がない、十分に甘えられない場合、私たちの中に甘えてはいけない、甘えられないという抑圧が生じます。

子供であれば、自分が気に入らない事はほんの些細な事でも外に表現できます。

しかし、甘えの欲求を抑圧して大人になると、1人の大人として責任を持って生きなくてはならないので、子供のように素直に甘えの欲求を表現することはできなくなります。

その結果、甘えの欲求が満たされず、何だか分からないけど不機嫌になったり、妙な理屈をつけて他人を責めたり、黙り込んだりしてしまうのです。

そういう人はいつもイライラしたり、不機嫌だったり、正義を振りかざして他人を責めたり、ことさらに愛を強調したりします。

色々な具体例を述べた上で著者は、甘えの欲求が自分の中にあるということに気づくことが重要だと仰っています。

大人になって依存的でないのは、男にとっても女にとっても最高である。
しかし事実その人の中に依存の欲求があるなら、自分には依存の欲求があるということを自覚することが必要である。
最悪なのは依存の欲求があるにもかかわらず、あたかも自分にはないかの如く振舞うことである。

自分に気づく心理学

本著にはたくさんの具体例が書かれているので、今まで説明できなかった自分の怒りや不機嫌さが感情の抑圧からきていることに気づくことができると思います。

まさにこの本の題名のごとく、自分に気づくことができる1冊です!

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本の紹介

書籍情報

書名:自分に気づく心理学(愛蔵版)
著者:加藤諦三
単行本:239ページ
出版社:PHP研究所
発売日:2006/4/10

著者について

著者の加藤諦三さんは1938年生まれの作家、社会心理学者。
東京大学教養学部教養学科卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。
現在、早稲田大学名誉教授で、元ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員などなど。
ニッポン放送系ラジオ番組「テレフォン人生相談」で40年以上パーソナリティを務める。
著書に『「大人になりきれない人」の心理』、『愛されなかった時どう生きるか 甘えと劣等感の心理学』などがある。

目次

1章 人づきあいが苦しいのはなぜか
2章 「甘えの欲求」は心の秘密をとく鍵である
3章 不安なのは本当の自分が見えないからである
4章 なぜかイライラしてしまう人は人生全体の方向が間違っている
5章 人を愛し、人から愛される能力
6章 自然の感情があなたをよみがえらせる
7章 自分を大切にすることからすべてが始まる

『自分に気づく心理学』を読んで学んだこと

【学んだこと1】自分がケチだとは気付かずに不機嫌になる

この本は全ての章がとても興味深かったんですが、個人的に1番よかったのは第5章です。

特に、子供の頃の欲求を抑圧している例で驚いたのは“子供はケチ”というテーマ。

子供は自分が損しなくても、お兄ちゃんだけズルいなどの理由で駄々こねたりします。

なんと大人でも心の奥にこの感情があるらしいです。

ですが大の大人がこれを素直に表現できないので、不機嫌になったり、屁理屈をこねたりする。

自分では自分がケチだとは気付かずに、何かわからないけど不機嫌になる。

「あの人だけズルい」ってやつを「大人気ないよね」とか「なんかでしゃばってるよね」と批判する感じでしょうか?

私も、夫の方が多くおかずを食べたり、夫だけお菓子を食べたりすると嫌ですが。笑

【学んだこと2】欠点は「好きなあなたの嫌いな点」でしかない

第5章では欠点にも触れられています。

他人が自分を好きになってくれるということは、無条件に近いことなのである。
他人があなたを好きになった時、あなたの欠点まで好きになったということではない。
あなたの欠点は、その他人にとって好きなあなたの嫌いな点にしかすぎない。

自分に気づく心理学 第5章

自分に自信がないと、自分の短所のせいで見捨てられると思い不安になる。

私、まさしくこう思ってました。友達とかも、いつか私の欠点が知られて嫌われてしまうんじゃないかと。

まさに目から鱗!欠点は好きな人の嫌いな点でしかない、欠点があるから私を嫌いになるわけじゃない。

逆に考えてみれば、夫の嫌いな点もあるけど、それで離婚にはならないし、友達もそう。

自分から人へはちゃんと分かっていたことなのに、人から自分へは何故か怯えてました。自分に自信を持ちたいです。

【学んだこと3】真実の愛は間接的に示される

第5章は全体として共生的関係について述べられています。

共生的関係とはお互いが個性を犠牲にして依存し合っている関係です。

共生的関係において、愛情は直接的に表現されると筆者は言います。

親子であれば、親は物を買い与えたり、どこかへ連れて行ったり、言葉で「かわいいね」と言ったりすることで愛情を示している(と勝手に自分で思っている)。

間接的に愛情を表現するためには、子供の心を深く理解する必要があるので、情緒的に成熟していない(甘えの欲求を抑圧している)親にはそれができない。

他人の心を理解することができて初めて本物の愛情を表現することができる。

本当、これです。私の親は間接的な愛情表現はあまりなかったように思います。

そして私は夫に対して、夫の心をちゃんと理解して愛情を示せているか?また子供はまだいませんが、子供を持つならこれもちゃんと考えていきたい、そう思いました。

あとがき

この本を読んで、自分に当てはまることがいくつもありました。

今までぼんやりとしていたものが言語化されて、くっきりと輪郭を持つように理解できたと思います。

Amazonレビューで、この本は説明が回りくどいというレビューがいくつかありましたが、それは甘えの欲求からくる反応のパターンついて、筆者が色々な例を説明しているから。

それくらい、小さい頃に甘えの欲求や怒りやいろんな感情を抑圧していると、大人になってから様々な形で影響が出てくるということでしょう。

人は誰でも少なからず甘えの欲求を抑圧していると私は思います。

ただそれが多いほど説明できない自分の感情に苦しんで生きづらくなるということです。


一言まとめ
「自分の中に、甘えの欲求があることに気づく」


ということで今回は加藤諦三さんの『自分に気づく心理学』を紹介しました!

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それではCiao!

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