こんにちはFumiko@です。
「世界でもっとも貧しい大統領」として有名になったホセ・ムヒカ(85歳)が、2020年10月に政界を引退することを表明しました。
ムヒカは2010年3月~2015年3月までウルグアイ東方共和国の第40代大統領を務めました。
その後も上院議員として活動していましたが、高齢や持病を理由に引退を決めたそうです。
ムヒカの哲学をおさらいするためにも、今回は『ホセ・ムヒカの言葉』を紹介します!
この本は主にムヒカの生涯と2012年リオ会議での有名なスピーチ、その他のムヒカの言葉や哲学を中心に構成されています。
・ムヒカをより理解したい方
・大量生産・大量消費の現代に疑問を感じている方
・もっと人生を大事にしていきたい方
にオススメの一冊です。
ホセ・ムヒカとウルグアイ
1935年、スペイン系の父とイタリア系の母との間にムヒカは生まれます。
しかし7歳の時に父親が他界し、花を売ったりアルバイトをしたり、母親の野菜作りを手伝ったりして家計を助けなければいけませんでした。
ウルグアイは1828年、スペインの植民地から解放運動により独立。
1900年からはスイスをモデルに民主主義国家となり政治が安定します。
ウルグアイの主要産業は牧畜で牛肉や羊毛を生産していました。
第一次、第二次世界大戦では戦争当事国にこれらを輸出して潤いましたが、戦後は化学繊維の台頭と国際的な価格競争に敗れ、国内の経済は停滞します。
1960年代から極左ゲリラ「トゥパマロス」の活動が活発に。
これはキューバの革命家チェ-ゲバラの影響を受けた社会主義革命を目指すゲリラです。
ムヒカは高校卒業後、法律学校に行きましたが中退し、労務大臣のサポートをしていました。
その後、制限されていた労働者の自由のためトゥパマロスに参加します。
トゥパマロスの活動は激しく、時に暴力的だったのでムヒカは生涯4度逮捕されます。
4度目の逮捕が最も長く1972年~1985年の13年間、軍事政権の拷問を受けながら耐え忍びました。
1985年、軍事政権が終わり民主化とともにムヒカらトゥパマロスの戦闘員たちは釈放されます。
ムヒカは左派中道政党「拡大戦線」に加入し政治家としての人生を歩み始めます。
2005年農牧大臣として初入閣。
2009年に大統領に当選し2010年3月~2015年3月まで就任します。
大統領官邸には住まず、妻の農場付きの小さな家に住み、護衛はつけず愛車は乗り古したビートルという質素な暮らしで有名になりました。
ムヒカの目的は社会的不公平さをなくし、貧困層をなくすこと。
・所得が上がるほど税率が上がる累進課税制の強化
・奨学金の充実
・貧困層への住宅付与(自らも5000万円寄付)
などを行い貧困根絶を中心に活動。
2000年代前半は40%だった貧困層は2013年には10%ほどになりました。
また大麻合法化や中絶合法化、同性婚の合法化など革新的な政策も行っています。
リオ会議でのスピーチ
2012年6月ブラジル、リオ・デ・ジャネイロで行われた国連の持続可能な開発会議(通称リオ会議)では自然と調和した人間社会の発展や貧困問題についての話し合いが行われていました。
ムヒカはそこで環境問題を議論する前にまず今の社会モデル、生活スタイルを改める必要があると説きました。
ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てば、この惑星はどうなるのでしょうか。
息をするための酸素がどれくらい残るのでしょうか。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。
幸せになるためにこの地球にやってきたのです。
貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ。
私たちが作った消費社会。
私たちは今、この社会モデルにコントロールされているとムヒカは言います。
大量生産してお金を得て、大量にものを買い、そして捨てる。
このサイクルを回していかなければ経済活動が立ち行かないのです。
また私たち自身もいつも物欲にコントロールされ、満足できません。
その他のムヒカの言葉
人がものを買うときは、お金で買ってはいない。
そのお金を貯めるために割いた人生の時間で買っているのです。
私たちはまるで消費をするためだけに生まれてきたかのようです。
自分の時間を労働に使いお金を得る。
そのお金でものを買う。
つまり私たちは自分の人生の時間と引き換えにものを買っているのです。
ものを買う方が大切ですか?人生の時間の方が大切ですか?答えは明らかだと思います。
感想、今後について
まずは大量消費と物欲に関して。
私は服飾業界に身を置いていて、いつも思うことはファストファッションとブランドのことです。
SNSにはファストファッションを大量買いしただとか、ブランド品の開封動画などが溢れています。
それって何の意味があるんだろうと。
それといつも違う服を着なければいけないというような風潮も理解できません。
着回ししなければいけないというのも理解できません。
フランス人は10着しか服を持たないという本が流行りましたが、フランス人でもファストファッションを大量買いする人はいます。
でも毎日同じ服を着ている人もいるし、同じような服を毎日着ている人や、少ない服をルーティンして着ている人もいます。
要は人それぞれだということ。
だから周りの目を気にせずに気に入った服だけ着ればいいんじゃないかと思います。
見せびらかす必要もない。
まぁ人それぞれなんで強制はできないけど。
少なくとも私はそんなにピンとこないけどまぁ使い回せるでしょう的な服は買いません。
お金と人生の時間について
刑務所で何も持たずにただただ時間がすぎていったムヒカだからこそ、自分の時間を楽しむという“自由”の大切さに気づいているんだと思います。
ものを買うことは自分の人生の時間を使うこと。
豊かな生活とは決してものに溢れた生活ではなくて、家族や友人と楽しく過ごすことだと私も思います。
この消費社会の歯車をなんとか止めたいとは思うけど、私も一住人な訳で、私1人では何もできない。
でもせめて私だけでも少しずつ変わって、周りの人に少しずつ影響を与えることができたらと思います。
余計なものを買わない。買いそうになったら自分の大切な時間について想いを巡らすことにします。
一言まとめ
「“足るを知る”を心に刻み、自分の時間を大切にする」
ムヒカの配偶者であるルシア・トポランスキーも上院議員で、ムヒカと同じく極左ゲリラで戦っていました。
興味がある方はこの本もぜひ見てみてください!
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